21世紀の能力開発

技術の進歩にはたして人はついていけるだろうか


情報技術の進歩という風を背中に受けて、私たちが住む世界は大きく変貌してきました。その変化の方向性と速度を象徴するキーワードは以下の5つです。

 

方向性 /  Digitalization (デジタル化・情報化)
 Globalization (グローバル化・ボーダレス化・自由市場化)
 Diversification (多様化・複雑化)
 Capitalization(資本化・資本主義化)
速 度 /

 Acceleration (加速化)

 

インターネットの普及が進み、人々はネットを使ってグローバルな情報交換や売買をさらに増やしていくでしょう。世界中のいろいろな文化との交流が増え、文化、人種、宗教、考え方、言語等の多様性を私たちはますます身近に、直に感じるようになるでしょう。


そしてこうした変化の方向性は、実は私たち個人と企業の日々の行動(消費行動や生産活動)が不断に生み出していることなので、国の政策や意思でコントロールするのは難しいのです。
2008年の餃子事件ひとつをとってみても、もう日本政府だけでは私たちの日常的なことですら解決できないことが多いという事実を、私たちは今更ながら思い知らされたわけです。

 

たいへん気懸かりなことは、こうした継続的な環境変化にスキルと能力面でついていけない人がたくさん出てくることです。


米国人材マネジメント協会の米国における調査によれば、55歳以上の労働者の約50%、全労働者の約20%が21世紀に求められる基礎的なスキルを欠いており、また、この「スキル・ギャップ」は10年後には約30%にまで拡大するものと予想しています。

英語という国際基準の言語を母国語としている米国おいてすらこうした懸念が認識されつつあるわけです。

日本にとって問題はより深刻です。情報と物が国境を意識せずに移動する今日のグローバル社会に、あるいはビジネス環境に、日本人は果たして上手くついていくことが出来るのでしょうか。

人の養成と能力開発は企業の仕事のように言われていますが、実は家庭や学校を含めた社会全体で戦略的に取り組まなければならない課題なのです。

特に学校の役割は重要です。上に挙げたキーワードに示される変化の方向性に対応できる人を育てるために、出来ることから今すぐにはじめなければなりません。