日本人と国際人

翻訳文化(和漢折衷と和洋折衷 )の国「日本」


翻訳大国、日本

日本は世界でも珍しい翻訳文化の国です。

わたしたちの国日本は、奈良-平安時代の「和漢折衷」と明治開花の時代の「和洋折衷」というふたつの偉大な翻訳文化を作り上げ、異質な文明を猛スピードで受け入れました。

 

翻訳文化の問題点は、翻訳することによって異文化との直接の接触が薄くなることです。本来の意味で、異質なものとして外国文化を理解することができなくなってしまうのです。

例えば、わたしたちはSocietyを「社会」という造語でわかったつもりになっています。

しかし、英英辞典で引くとSocietyとは、"peole in general"とあります。

これをソサエティーとせず、社会という造語をあてはめたことによって、異質なものとしての外国文化を理解することがかえって難しくなっています。

 

 

あうんの呼吸と以心伝心

日本人がなかなか国際人になれないもうひとつの理由として、日本独特の「本音と建て前」「あうんの呼吸」「以心伝心」という文化風土があげられます。多様な人種や文化が混ざり合った時、非言語(声の調子・表情・態度等)もふくめて相互のコミュニケーションを深めることが大切です。

 

ところが日本では言語・非言語コミュニケーション以外に、「本音と建て前(言語と非言語が矛盾する場合)」や、こころによる「あうん」と「以心伝心」という、コミュニケーションを補完する「微妙なもの」があります。

外国人から見ると、これをコミュニケーションとみることは難しいでしょう。

つまり、日本文化の中になにか異文化コミュニケーションを妨げる要因がひそんでいるのです。

 

翻訳文化と微妙なもの

この日本人の異文化を自分のものとして翻訳して取り入れる傾向と、コミュニケーションを補完する微妙でユニークな文化が、日本人がなかなか国際人になれないことと関係しているの間違いないでしょう。

 

勿論、日本文化の内側に国際人になりにくくする要素があるとしても、そうした日本の文化的特性を短所としてとらえるか素晴らしい長所ととらえるかとは別の問題です。

 

「日本の経営」で知られるJ. アベグレン先生に亡くなられる2年程前にお会いしたとき、先生が「日本は騎士道を残す世界でただひとつの国である」とおっしゃっていたのを思い出します。