本当になりたい自分になる

▢ 「本当になりたい自分になるためのワークショップ」

  副題:アクセプタンス&コミットメント・セラピーを応用して

  • 開催日時  2020418日(土)100018009:40~受付)
  • 講座内容(予定) 
  1. 全体像
  2. あなたの行く手を阻むもの (心の働きの理解、意識と潜在意識)
  3. マインドフルネス瞑想 (自己観察、メタ認知)
  4. 本当のあなたをイメージする (価値、夢、ビジョン、自己開発)
  5. 意志の力を使う (思考、感情、行動のパターンを上書きする)
  6. コミットし、習慣化し、自分らしく生きる 
  • 会  場    
    • NPO日本キャリア・カウンセリング研究会(JCC)セミナールーム  
    • 東京都文京区湯島3-13-8湯島不二ビル601
  • 定  員   24名
  • 参 加  費   JCC会員10,000円、非会員 12,000
  • 講  師   干場 進 JCC理事、元三井住友銀行、東京大学卒

 


▢ 「本当になりたい自分になるためのワークショップ、副題:アクセプタンス&コミットメント・セラピーを応用して」の2020年4月18日(土)開講にあたって

 

 

この講座はS・C・ヘイズらが開発した第三世代の認知行動療法とも呼ばれるアクセプタンス&コミットメント・セラピー(略称ACT)を応用したものです。ACTの特徴は、一言でいうと、心理療法にもかかわらず直接病的症状を治療しようとはしないことです。そのかわりにACTは「価値に導かれたマインドフルな生き方」ができるようにクライエントを支援します。そうした生き方ができれば、その付随的な効果として病的症状は自ずと軽減されていくだろうと考えています。つまり、ACTは心理療法であるとともに、ある種「生き方の指針」でもあるのです。(右下図は、ACTのヘキサフレックスといい、ACTにおける6つの治療プロセスを示しています。) 

私が認知行動療法アカデミーでACTと出会ったのは約7年前、2012年のことです。生き方を説く心理療法! 出会った瞬間から私はACTの魅力のとりこになってしまいました。以来、書籍や論文で知見を深めながら、並行して私が教師兼カウンセラーをしていた専門学校の「こころとキャリアの相談室」でトライアル的に実践してきました。

私の相談室にはこころの病を抱えた人も相談に来られるけれども、それほど深刻な状態ではない人も来られる。そこで、自然の成り行きとしてACTを、悩みごとを抱えてはいるが病気ではない一般の方に用いたらどうなるだろうかと考えるようになりました。

そうして、一般の方にACTの「価値に導かれたマインドフルな生き方」ができるよう支援しているうちに、気づいたことがあります。それは、ACTは、一般の方への生き方の指針としてもそれなりの効果はあるのだけれど、今一つインパクトが足りないということでした。それもそのはずです。ACTはもともと精神的な悩みを抱えている方のために細心の注意をもって丁寧に織り上げられてきた心理療法です。ACTはクライエントにやさしく、その与えるインパクトはとても柔らかい。そのやさしさと柔らかさはACTの長所であって、短所でも弱点でもありません。問題は、そのACTをもっと豊かに自分らしく生きたいという健常者の方に応用しようと試みる私の側にあるに違いないのです。

 

こうした相談室のカウンセラーとしての仕事と並行して、ACTの勉強と普及を兼ねて、2018年7月から日本キャリアカウンセリング研究会において毎月第三木曜の夜に「ACT勉強会」を開催することになりました。ラス・ハリス著の「よくわかるACT、明日からつかえるACT入門」をテキストとして使い、毎月1章ずつ読み進めていくという企画です。この企画は、お陰様で2019年12月の第14回月例勉強会をもって完結させることができた。学ぶこと、実践すること、さらにその経験をもとに教えること、そこまでやって初めて習得したということができると人は言います。この勉強会を通じてまさにそのことを実感することができました。ここに改めて、ご協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 

そうこうしている間に、ACTとのお付き合いはかれこれ7年ほどになり、ACT勉強会が完結したこともあって、いよいよACTを土台として、もう少し未来へのエネルギーが湧き上がってくるような工夫を加えて一般向けの「生き方の講座」をつくろうと思うようになりました。その結果が今回の講座です。従って本講座は、ACTを土台としつつも、いくつかの積極的で創造的な工夫を加えてあるので、厳密にいうとACTそのものではありません。しかし、受講いただく健常者の方々にとってはその分だけより興味深くて実践的な講座になったのではないかと自負しています。

では、具体的にどこに工夫が加えられたのでしょうか。その点に簡単に触れておきたいと思います。一つ目は、最新の脳神経科学やメタ認知の知見を取り入れて、意識と潜在意識(あるいは無意識)の関係を明確にしたことです。ACTにおいては、マインドフルネス瞑想を主として「自己観察(メタ認知)」の能力を向上させて脱フュージョン、アクセプタンス、今ここ、そして文脈としての自己を促進するために用いますが(右上図ご参照)、本講座においては、それに加えて「自己開発(自己革新)」を促進する方法としても用います。本当になりたい自分になるためには、最終的には、潜在意識の中にある習慣化・自動化・プログラム化された過去の思考・感情・行動のパターンの少なくとも一部は、より望ましい自分らしくて活力あふれる思考・感情・行動パターンによって置き換えなければなりません。マインドフルネス瞑想は、新しい思考・感情・行動パターンを創造し、また過去のそれを新しいパターンで上書きする際にも威力を発揮します。

 

二つ目は、自分らしく生きるための基準として、価値に加えて、夢やビジョンを採り上げたことです。価値は今を生きるための大切な基準ですが、夢やビジョンが人間を未来の新たな可能性に挑戦させ、新しい自己へと成長・脱皮させていくエネルギーや動力源になっている点を軽視することはできないと考えました。長い航海を続ける船が、羅針盤に頼るだけではなく、遠く北の空に輝く北極星を追い求めたように、人生を乗り物に例えるなら、手元にある価値と遠く空にある夢やビジョンは車の両輪とも言える関係にあります。

 

三つ目は、文脈としての自己の延長線上に何があるのかに触れたことです。これはACTにおける「価値は自由に選べる」ことからくる一抹の不安に応えようとするものです。それは、もし皆が自己中心的な価値を選んだら、この世の中はどうなってしまうのだろうという不安です。しかし、それは杞憂にすぎません。なぜならACTが求める文脈としての自己というのは、自己中心的性を超越した人類共通の普遍的な自己が存在する空間のことを指しているからです。文脈としての自己の概念は、私からすると、エビデンスベーストの行動分析学が大胆にも精神世界に一歩足を踏み入れたかのように感じさせます。この辺はとても興味深く、また自己開発や自己変革にも関係してくるので、C・ユング、A・ミンデル、N・ドイジらの理論も引用して補足説明することにしました。

 

このように、本講座には元のACTにはないいくつかの工夫が加えられている。 受講される方にあらかじめお断りしておきたいのは、本講座に何か欠点や間違いや問題があるとすれば、それはすべて私の責に帰するもので、ACTをはじめとして引用した諸理論・哲学に帰するものではないことです。この点、よろしくご理解のほどお願いいたします。

 

 

 

では、本講座を通じて、ご一緒に、ワクワクするような本当の自分になる旅、意識の力で古い記憶を解除し、新しい現実を創り出す旅へと旅立とうではありませんか。

 

 

 

 以上