対話とは:
対話(ダイアログ)とは、私たちが日常交している会話のうちの、「あるテーマについてのオープンで、自由で、前向きで、正直で真剣な話し合い」の部分を指します。対話は会話のうちの特殊な部分と言っても差し支えありません。
日常の当たりさわりのない会話では、たとえ内心ではお互いの意見や価値観に相違があったとしても、それが会話のなかで表面化することはあまりありませんし、またそうする必要はありません。そこまで深い話し合いではないのです。
しかし、対話は、むしろ逆に、他者とのあいだに意見の相違があることを前提とし、かつその相違を明らかにするところに成立します。対話は、意見や価値観や世界観の違いがある人々の間で行ってこそ、有意義で効果的なものになるのです。注意しなければならないのは、その違いゆえに、対話ではしばしば緊張関係が生じることです。対話では、そうした緊張関係が紛争にまで発展しないように、あらかじめ話し合いの場のルールを定めたり、お互いに尊重し、尊敬し合う気持ちをもって話し合う、あるいは無理に意見の一致を求めようとしないなどといった配慮が大切になります。
会話と対話は、このように異なる性格を持っています。しかし、穏やかに日常的な会話をしていても、あるテーマについて皆が急に真面目なトーンになることがあります。話し合いが、会話モードから対話モードに切り替わったわけです。このように、実際の会話は、会話モードと対話モードを行ったり来たりすることがあります。このような場合では、あらかじめ場のルールを定めておくというわけにはいきません。この辺がコミュニケーションの難しさでしょうか。
対話の目的・効果:
対話力:
対話力とは主として、1.話し合う態度や姿勢と、2.コミュニケーションスキルとからなる統合的な能力です。