リレーショナル・アプローチの思想的背景


リレーショナルリーダーが用いるリレーショナル・アプローチでは、リーダーシップが発揮されるプロセスと関係性に焦点をあてます。

私たちはその主柱をなす思想を以下の3つと考えています。

 

 

多声性(ポリフォニー)と対話主義の思想

 

ロシアの思想家・文芸学者バフチン(18951975)は、著書「ドフトエフスキーの詩学」を通じて、それぞれに独立していて互いに融け合うことない声たちによる真のポリフォニー(多声音楽)こそがドストエフスキー小説の本質的な特徴であると指摘し、今日の社会構成主義、対話的自己理論、オープンダイアログ、アプレシアティブ・インクワイアリー、Diversity and Inclusionなどの多声性と対話主義を重んずる考え方の源流となった。

 

 

オートポイエーシス理論

 

チリの神経生理学者H. マトゥラーナ(1928~)による造語。すべての生命体はオートポイエーシス的(自己産出的)組織であり、外的世界と内的な意味の体系との間にコミュニケーション的リンクを創造する能力が、すべての生命体にとっての基本な存続条件だとした。

その後、ドイツの社会学者N. ルーマン(1927~98)は生命現象のオートポイエーシス理論を更に発展させて社会現象に応用し、社会システムとは、意味による秩序づけを行う相互のコミュニケーションの体系であるとするまったく新しい社会システム理論を提唱した。また人間の心的システムと社会システムとは構造的にカプリングしていることも指摘した。

 

 

社会構成主義の思想

 

米国の社会心理学者K. ガーゲン(1935~)が提唱。デカルト以来の近代合理的で個人主義的な人間観の行きづまりを指摘し、「私たちが現実と呼ぶものは、実は社会的に構成されたものであるとし、関係性の中の自己」の考え方、および明日をつくる試みとしての「対話の力」の重要性を説いた。

現在もタオインスティチュートの代表者として、対話、リレーショナル・アプローチ、リレーショナルリーダーシップなどの研究と実践を通じ、社会構成主義思想の普及に精力的に取り組んでいる。

 

 

研究機関等

 

The Taos Institute (サイトへはこちら)

International Institute for the Dialogical Self (こちら

Jaakko Seikkula Speaks on Finnish Open Dialogue(こちら